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いろいろな皮膚疾患

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〒652-0803 兵庫区大開通7丁目3-8-201

いろいろな皮膚病disease guide

院長ごあいさつ

辻クリニックでプロアクティブな治療を

皮膚は外から見える臓器です。
従って患者さん本人だけでなく周りにいる人すべてが気になる
健康のバロメーターでもあります。
きれいな異常のない皮膚を保つにはそれなりの管理と手入れが肝心です。
私たち皮膚科医はそのお手伝いをいたします。
「こんなことで・・・」と思わずお気軽にご相談ください。


主な疾患治療について

   

乳児湿疹尋常性疣贅(イボ)円形脱毛症  ★アトピー性皮膚炎
爪白癬  ★尋常性ざ瘡(にきび)  ★肝斑(しみ)
脂漏性皮膚炎  ★ヘルペス  ★乾癬・掌蹠膿疱症  ★手足口病

 
乳児湿疹(赤ちゃんの湿疹)
食べ物が口周辺の皮膚につかないように気をつけて!
食物アレルギーに関する間違った情報が氾濫していています。離乳食も始まっていないのに小麦アレルギー、卵アレルギーを指摘され、離乳食はそれらの除去食のみを食べている赤ちゃんを見かけます。
アレルギーを起こす免疫グロブリンは IgE と呼ばれるものですが母親の胎盤を通過できるのは IgG と呼ばれる免疫グロブリンだけでアレルギーを起こす IgE グロブリンとは無関係のものです。問題となる IgE は胎盤を通過できません。
従って生まれながらに小麦アレルギーや卵アレルギーを持っているはずはなく、もし生後そのようなアレルギーが生じたとすれば何処かでその食物に対して感作をうけたはずです。例えば卵を触ったお母さんの手で赤ちゃんの肌の世話をしたとか、、、
赤ちゃんの湿疹を長年見ているとそのほとんどが口の周辺から始まっています。つねに流れる「よだれ」によって口周囲の皮膚がただれた状態は赤ちゃんの皮膚とは言えバリアー機能が障害されています。
ここに卵や小麦など食品が付着すると皮膚経由でこれらの食物に対して免疫系が簡単に感作を受けます。口から胃・腸に入った食物は消化される過程でたんぱく質からアミノ酸にまで分解され抗原性を失います。この事実は口元がしっかりした子供になってからは食物アレルギーの発生が少ない事実と一致します。
つまり主たる食物アレルギーはこのように口周囲の皮膚経由で成立すると考えられます。
食べ物ではありませんが、一時メディアを騒がした「茶のしずく」も同じ皮膚経由で小麦アレルギーが成立した例です。赤ちゃんに食事を与えるときは口周囲の皮膚にべたべた付かないように気を付けてください。特にアレルギー体質があると思われる赤ちゃんは食事前に口周囲や首にワセリンなどを塗って食べ物が直接皮膚に接触するのを防ぐのも一つの方法です。食物アレルギーを起こさないためには、こまめ付着したものを拭いてやる、食後は軽く口の周りを洗ってやる、くらいの注意が必要です。
母乳を与えている時期にお母さんが食べる食事によって母乳を経由して子供がアレルギーになるという迷信(?)もよく言われます。母乳にはIgAを呼ばれる免疫グロブリンがたくさん含まれており赤ちゃんが母乳を飲むことにより感染症などの予防になります。
しかし母乳中にもアレルギーを起こす IgE は存在せず母乳によりお母さんのアレルギーが赤ちゃんに移行することはありません。先ほどの繰り返しになりますが、同じ理由で妊娠中にお母さんが食べた食品により赤ちゃんにそのアレルギー(例えばえびアレルギー)が移行することもありません。
最後に病院で検査されるRAST検査(特異的 IgE 検査、例えば卵白クラス3、小麦クラス2とか言うデータです)は100%現実を現している訳ではありません。クラスが5とか6とか強度の陽性になるとさすがにそれは避けた方がいいかも知れませんが、クラス2とか3の弱陽性で除去食を実行するのは概ねまちがいです。
なぜかと言えば血液中の IgE を測定しても肝心な皮膚の IgE を測定している訳ではないので血液検査と実際のアレルギー反応の間に矛盾が生じるわけです。
正確にはその食べ物の負荷テストをして初めて正しい判断ができます。病院で卵アレルギーを指摘されたのに食べさせても何ともない、そんな症例が多くあります。
現実には離乳食は微量ずつ始めて何も起こらなければ量を増やしていきましょう。脳の発育に極めて重要な成長期ですから豊富な栄養を取らせるべきです。アレルギーを怖がって(粟と稗だけを食べさせ) 成長不良の子供にし てしまえば一生取返しがつきません。
誠に手前みそで恐縮ですが、負荷テストもせず血液検査だけで判断し、除去食を勧める ア?科や 小?科 よりは "皮膚科" 又は "ちゃんとした小児科" を受診した方がより正確な情報を提供出来ると信じます。
イボの凍結治療
10日〜14日間隔で液体窒素の凍結治療を行います。
1〜2時間は多少の痛みが残りますが自然と治ります。乳頭腫ウイルスが角質層に感染して硬い丘疹を作ります。魚の目(鶏眼)やタコ(胼胝腫)と間違われて痛みもないことが多いので放置されやすいです。周辺に感染してどんどん数が増えまた大きくなって行きます。
お薬による有効な治療法がないので、凍結治療が唯一の方法です。一時抗がん剤(ブレオマイシン・5FU)による外用療法がおこなわれていましたが効果は(?)でした。
円形脱毛症
自分の免疫細胞が自分の毛母細胞を破壊する病気、関節リュウマチ、甲状腺の橋本病、1型糖尿病などと同じような、自己免疫疾患(自分の免疫細胞が自分の組織を異物と勘違いして攻撃排除する反応)の一種と考えられています。男性の若禿とは病態が全然ちがいます。
概ね週1回の光線治療と2週間に1回の毛根刺激療法(凍結治療)を行います。
早期に発見したものでも3ヶ月ほどの治療が必要です。自然治癒という症例も見受けますが稀で、治る傾向なく、数年間も放置して毛包の幹細胞がなくなってしまうと完治は難しくなりますから早い目に治療を始めましょう。
アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎の患者さんは軽症の間は我慢したり、適当な自家治療でごまかしておき、いよいよひどくなってから皮膚科を受信するパターンが多いです。 当院ではプロアクティブ療法という考えを取り入れた治療を行います。悪化したときだけ強いステロイドを使うというやり方では皮膚が本来持っているバリアー機能の回復が望めめないばかりか、再び炎症が起こりやすい状態をそのまま残してしまいます。まずはステロイド軟膏やタクロリムス軟膏と抗ヒスタミン剤内服で炎症を抑えて湿疹のない皮膚に戻し、この状態を少なくても1ヶ月は続けられるようにコントロールします。こうなれば弱いステロイドあるいは保湿剤だけに切り替え可能となります。ツルツルの肌を保てるギリギリの治療を長期間続けます。最終的には、例えば一週間に1回は湿疹がなくても指示された(弱いステロイド系などの)外用薬を使うといった方法です。
ただし、重症例には少量のステロイド内服とPUVA光線治療などで対応しないとコントロール出来ないこともあります。PUVA治療は長期間炎症が続いた結果表皮の浅い部分にまで伸びたかゆみを感じる神経終末を本来あるべき真皮に戻すことでかゆみを簡単に生じさせない効果があり、また免疫系のTh1を抑制することにより皮膚炎の発症を抑制します。
慢性に経過する疾患なので一時的な軽快で満足せず定期的に診察を受けてください。皮膚炎の状態を観察してそのときの状態に応じた治療法を選択していきます。大切なことは皮膚の炎症を起こさないように保ち、バリアー機能を回復させることです。
爪白癬(爪水虫)
爪の色が白く変色しているといっても水虫とは限りません。単に爪甲が爪母から浮いているだけの例もありますから検鏡検査による白癬菌の確認が必要です。内服薬で治します。以前の薬のように多量に飲む必要はなく1日1錠を指の爪の場合は約半年、足の爪の場合は約1年続けます。爪の根元からきれいな爪が伸びて来ますので患者さん自身が治療効果を確認できます。写真を見る。
にきび
スタッフが洗顔指導を行います。洗顔がニキビ・吹き出物のスキンケアとして一番重要です。辻クリニックではニキビ用洗顔に適したマーベセラー石鹸を紹介しています。皮脂が詰まった 白ニキビにはアダパレンゲル(ディフェリンゲル)が第1選択となります。皮膚のターンオーバーを促進して正常な分泌構造に戻す過程でカサツキやヒリヒリ感を伴うことがあります。ピーリング効果と同じような反応なので塗布後は保湿クリームを2重塗りするといいでしょう。保険適応外ですがアゼライン酸(AZA)も効果的です。 赤ニキビや化膿ニキビには抗菌薬外用(ダラシンTゲル・アクアチムCrなど)が適しています。炎症が強いときは少量のミノサイクリンとビタミンB2の内服も有効です。患者さんの状態に応じて使う薬が変わるのでまず診察を受けてください。そのまま放置してニキビ跡にクレーターや瘢痕を作ってしまうと生涯治りません。 NewYork Yankees を退団した某有名野球選手も若いころ、練習の合間に少しでも治療していたら「 GODZILLA 」というニックネームは付かなかったかも・・
肝斑(シミ)
トラネキサム酸とビタミンCの内服が副作用もなく安心な治療方法です。一日3回を2~3ヶ月内服します。色が薄くなれば一日2回又は1回に減量できます。紫外線露出を防ぎながら長期間治療すればシミのない肌が保てます。塗り薬としてハイドロキノン製剤(保険適応外)を合わせて使用するとさらに効果的です。
脂漏性皮膚炎
頭や顔のかゆみフケを伴う慢性皮膚炎です。マラセチアというカビの一種が関与していると言われ、治療はステロイド外用と抗真菌剤の外用が一般的です。かゆみが強い場合は抗ヒスタミン剤を内服します。毎日シャンプーをして皮脂を溜めないようにしてください。
ヘルペス
口周辺やまぶたなど顔にできる1型のヘルペス、外陰部にできる2型のヘルペス、水ぼうそうの再燃で身体の左右どちらか片側性にできる帯状疱疹があります。(写真を見る)どの型であれ特効薬がありますから早期に治療を始めると軽症ですみます。痛み・かゆみ・違和感など普通のかぶれや湿疹とは違う症状を示します。特に帯状疱疹は放置すると大変な神経痛を残しますから早期診断早期治療が予後を決める分かれ目になります。胸部に痛みがあり「肺がんではないか?」など内蔵臓器の病気に気を取られCTやMRIをしている間に治療のタイミングを失ってしまうことも稀ではありません。
乾癬・掌蹠膿疱症
炎症性角化症という部類に入る慢性・難治性の皮膚病です。膠原病に似た病態を示します。通常のステロイド外用薬では一時的に軽快するものの再発を繰り返すのでステロイド外用とともにビタミンD3軟膏をうまく併用して使用すべき症例です。効果的な治療はPUVA・光線治療です。全身に拡大した乾癬にはステロイドも大量に使えませんから光線治療が主治療になります。辻クリニックには4面に装備した3次元的光源から一度に全身に照射できるPUVA装置を備えています。内服薬にもいいものがあります。エトレチナート(チガソン)をいう内服薬は大変効果的ですが動物実験で「催奇形性」の副作用が出たことがあるので妊娠の予定の若い患者さんには使用しません。また掌蹠膿疱症は手のひら・足の裏に水疱や膿疱が繰り返し出現する乾癬とよく似た性質の病気です。治療は乾癬に準じたものをおこないます。手足専用の光線治療機を備えていますので1回/週くらいPUVA治療を受けられるといいでしょう。
手足口病
夏季に1〜2歳の乳幼児に流行するウイルス感染症で、主に手のひら・足の裏に少し赤みを伴う小水疱ができ、口の中にもアフタ様びらんが生じます。単一のウイルスではなくコクサッキーA16やエンテロウイルス71など流行時によってウイルス型が異なります。飛沫経口感染しますが、糞便中には長期にウイルスが存在するためトイレ後の手洗いは厳重にしましょう。4〜5日で自然治癒しますが、見慣れた専門医でないと水ぼうそうなどの他のウイルス性の病気と勘違いされることがあります。

Tsuji Skin Care Clinic辻クリニック

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兵庫区大開通7丁目3-8-201
TEL 078-578-0666
 

新院長 辻 正孝
2006年 京都府立医科大学卒
2011年 皮膚科専門医

日本医師会・会員
日本皮膚科学会・会員


元院長 辻 正幸辻クリニック

1977年 神戸大学医学部卒
1983年 神戸大学大学院卒
1983年 医学博士
1992年 皮膚科専門医

兵庫県皮膚科医会・会員
神戸大学皮膚科同窓会・会員

院長からの一言アドバイス辻クリニック

★即時型アレルギーと遅延型アレルギー
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原因が起こって数分ないし1時間ほどで症状が現れる即時型反応(1型アレルギー)と
原因が生じて1日〜数日してアレルギー症状が出現する遅延型反応(4型アレルギー)が存在します。エビを食べている最中に口の周りがムズムズしてくるのは1型反応、ネックレスかぶれなどは遅れて、翌日または翌々日に湿疹が出現する遅延型反応です。この知識があれば原因究明の参考になるでしょう。